グリーグの弦楽四重奏曲で、純粋な意味での完成版は「ト短調」Op.27 しかありませんが、音楽的魅力に満ち溢れた名曲です。
1982年、フィンランドで結成された New Helsinki Quartet が Grieg : String Quartet in G minor, Op.27 と Sibelius : String Quartet Op.56 "Inner voices" の2曲を収録した1枚ものCDです(1997年録音) 。
このCDに関しては「幸松肇」さんがべた褒めしていた記憶がありますが、ホールトーンを自然に取り込みながら澄み切った空気感を感じさせる音造りに好感が持てます。
グリーグの弦楽四重奏曲のCDに関して、「ト短調」と、未完の「ヘ長調」(2楽章まで) にこだわりを見せているのは、Kontra Quartet 、Oslo String Quartet 。逆に「ト短調」と「ヘ長調」(4楽章補筆完成版) で勝負の Chilingirian Quartet 、と興味深い演奏があります。本CDは、グリーグへの過度のこだわりが薄い分、シベリウスとのカップリングという選択が生まれたということでしょうか。